▼ポイント
- 配当や優待を受け取るには、権利付最終日の大引けまでに株を購入すること
- 配当金にかかる税金は源泉徴収されるため、基本的には確定申告の必要なし
- NISA口座で配当金を受け取るなら、”株式数比例配分方式”で
配当金はいくら貰える?
配当金とは
まず、配当金とは企業が利益の一部を株主に還元するものです。配当金の有無は企業によって異なり、利益があれば必ず配当金を支払うわけではありません。
配当金が出る回数も企業によって異なり、年1回の本決算、または中間決算も入れた年2回(中間配当と期末配当)ということが多いです。大きな利益のある年や企業の記念の年に、特別配当・記念配当が出る場合もあります。
配当金額と配当利回りの出し方
金額は1株あたりいくら、という形で決まるので
1株あたり配当金×保有株式数(権利確定日時点)
の計算で求めることができます。1株あたり配当金は設定以降据え置きではなく、企業の置かれた状況によって増減しますし、配当金の支払い自体が無くなってしまうこともあります。
また、1年間の1株あたり配当金から、下の計算で配当利回りを出すことができます。これによって、投資した金額に対して配当金が何%になるのかがわかります。
配当利回り(%)=1株あたり年間配当金÷株価×100
例えば、年間配当金額が30円、現在の株価が1,000円なら、30円÷1,000円×100で配当利回りは3%となります。
できるだけ利回りの高い株を買って、配当金をたくさん貰いたいね!
高配当株ばんざい!
でもこの式を見ると、株価が下落して配当利回りが上がるってことも気にした方がよさそうだよ
業績が好調で配当金額が上がる→配当利回り上昇、ならいいのですが、業績悪化などで株価が下落→配当利回り上昇、というパターンもあります。
上の例でいうと、同じ配当金額が30円でも、現在の株価が500円なら配当利回りは6%に上がりますね。場合によっては、将来的に減配されたり無配当になってしまうかもしれないので、配当利回りだけを見て投資先を決めてしまわないよう、気をつけなければなりません。
配当性向
配当に関する指標で、”配当性向”というものがあります。これは、利益のうちの何%を配当金に回しているかを示すものです。下の2つの式で求められます(結果は同じです)。
配当性向(%)= 配当金支払総額 ÷ 当期純利益 × 100
配当性向(%)=1株あたり配当金÷EPS(1株あたり利益)×100
配当性向が高い方が、株主としては好感が持てるような…
配当が多いと企業に残るお金は少なくなるけど、そこは大丈夫かな
配当性向が高く株主に支払う配当が多いと、当然企業に残る資金は少なくなります。株主への還元が少ない企業は、その分事業を拡大するための設備投資や人材確保に資金を回せる、という見方もできます(もちろん株主に還元するための利益がないというケースもありますが)。
成長途中にある企業であれば、配当を増やして得られるリターンよりも、利益を事業拡大のために使った方が将来的に大きなリターンを得られるかもしれません。
株主にとって、配当性向は高いほど良いといったものではなく、その企業の置かれた状況によって変わってくるものだといえるでしょう。
株主優待はどんな制度?
株主優待では、企業から株主に自社の商品やサービスなどが贈られます。配当金と同様、株主優待も全ての企業が行っているわけではありません。
株主優待が贈られる回数も、配当金と同様に企業によって異なります。
内容は、自社商品の詰め合わせやサービスの割引券の他、使い勝手のいいQUOカードなどもあります。保有株式数や保有年数によってより豪華になる場合もあります。
多岐に渡った優待があるので、魅力的な優待を探して回るのも楽しいです。ネットで検索すると、おすすめの株主優待をまとめたページもたくさんあります。
いつ株を買えば配当や優待が貰える?
9月の優待が欲しいんだけど、権利確定日の30日に株を買っても間に合うのかな?
優待を貰ったら、その株は手放して別の株に資金を回した方が効率がいいかしら
ちょっと待って、“権利確定日”と権利が得られる日は別みたいだよ
権利確定日
”権利確定日”とは、配当や優待の権利が決まる日のことです。
9月末や3月末であることが多く、企業のホームページなどに掲載されています。この日の株主名簿に記載されていれば、配当や優待を取得することができます。
権利付最終日
権利確定日に株主名簿に記載されるには、それまでに株の受け渡しが完了している必要があるので、2営業日前までに株を保有していなければなりません。
この、権利を得るために株を保有していなければならない日のことを、”権利付最終日”といいます。権利付最終日の大引けまでに約定して株を保有していれば、権利が得られるわけです。
権利落ち日
権利付最終日の翌日以降は、株を売却しても構いません。権利確定日に株を保有している必要はないのです。逆に、翌日や翌々日の権利確定日に株を購入しても、配当や優待の権利は得られません。
権利付最終日の翌日のことは、”権利落ち日”といいます。
わたしみたいな配当・優待目当ての投資家が権利を得た株を手放すことで、権利落ち日以降に株価が下がることもあるんだって
貰える配当以上に株価の下落で損をしたら本末転倒だね
早めに狙いをつけて、安い時に仕込んで権利付最終日を待つのがいいのかな
2015〜2020年の高配当株の値動きについて調べてみたから、参考になるかもしれないよ
配当金の支払いと税金・確定申告
支払い時期
配当金は権利確定日から2〜3ヵ月程で支払われます。具体的に知りたい場合は、各企業の決算短信の配当支払開始予定日などで確認できます。
株主優待の発送も、権利確定日の2〜3ヵ月後のことが多いです。
受け取り方は、証券口座への入金や指定した金融機関への入金、郵便局等の窓口で引き換えといった方法があります。
税金は源泉徴収
個人が保有する上場株式の配当金にかかる税率は、
20.315%(所得税・復興特別所得税:15.315%、住民税:5%)
です。配当金にかかる税金は支払いの際に源泉徴収されているため、基本的には確定申告はしなくても大丈夫です。
しなくても大丈夫…ということは確定申告をする場合もあるのかしら
確定申告をすると、総合課税で配当控除を使ったり、申告分離課税で株の売却損と損益通算したりできるらしいよ
ちょっと難しそうだけど、上級者は要検討だね!
!NISAでも非課税にならないことがある!
NISA口座=非課税口座なので、配当金ももちろん税金を引かれずに受け取れます。ただし非課税とするためには、受領方法を
”株式数比例配分方式”
として、証券口座で配当金を受け取る必要があります。
違う受領方法になっていないか、証券口座の設定を確認した方がいいね